モドル

■おわりとはじまり


おわりとはじまり

ラトク
「どうやら、ここが終点らしい…。」
サーク・ソード
「そうじゃ。ここが奈落牢獄メイルストロームの中核じゃ。最も神に近く、また最も深い処…神でなければ、入ることさえかなわぬ聖なる邪悪の地…」
ラトク
「しかし、ネクロマンサーは…」
サーク・ソード
「そうじゃ、その禁忌を犯した。あるいは、そのようにさせられた、と言うべきかもしれんがの。ともかく、時の必然は狂い、全てがここから始まったのだ。」
ラトク
「…ここから…」
サーク・ソード
「ラトクよ、ひとつだけ言っておかねばならんことがあるのじゃ。」
ラトク
「なんだ?」
サーク・ソード
「ゼキシスは…今のお前の力を持ってしても倒せぬ、やも知れぬ…」
ラトク
「な、なんだって!?」
サーク・ソード
「ゼキシスとは、時の流れに身を横たえる者。最も神に近き者にして、最も善から遠い者なのじゃ。神がその肉体を失って久しいこの時代において、唯一の神なのじゃ。ラトクよ、お前に神は殺せまい。」
ラトク
「じゃあ、どうしたらいいんだ!」
サーク・ソード
「彼奴の未来を断ち切ることじゃ。彼奴にとって、時間とは自らの尻尾をくわえこんだ蛇のようなものじゃ。巡り続ける時間の輪を断ち切り、初めと終わりを作る…さすれば、彼奴は過去においてのみ存在することになる。すなわち、それは死。」
ラトク
「どういうことだ、サーク・ソード?ただ奴を倒すだけでは駄目なのか?!」
サーク・ソード
「いや、それでよいのじゃ。しかし、憎しみや怒りにひきずられてはならん。たとえゼキシスを倒したとしても、憎しみや怒りに支配されてしまえば、お前自身が第二のゼキシスとなるだけのことだ。」
ラトク
「…大丈夫だ、サーク・ソード。今は、父さんの死を、そして、父さんの部下たちやたくさんの人々の努力を…その意志を無駄にしたくない…そう思っているんだ」
サーク・ソード
「ラトクよ…わしがお前に初めて会った時の言葉を覚えておるか?」
ラトク
「???」
サーク・ソード
「我が力を欲するならば、我を携えるに値する戦士となれ!…ラトクよ、我を携えるに値する戦士となったようじゃな…」
ラトク
「…いこう、サーク・ソード。世界に平和を取り戻すんだ!」
サーク・ソード
「おぉう!」


ラトク
「あれが、ゼキシス…?」
サーク・ソード
「いや、ゼキシスはあの中じゃ」
ラトク
「行くぞ!」


ラトク
「な、なんだ、これは…?」
サーク・ソード
「これが、ゼキシスだ」
ラトク
「なんだって?!この巨大な柱がそうなのか?」
サーク・ソード
「妖魔界の中心、永久牢獄たる、このメイルストロームにいてさえ、彼奴の波動は衰えることがない…」
ラトク
「生気は感じないけど…」
サーク・ソード
「彼奴の心はまだ神々と戦っている。彼奴の前には時間さえも無意味だ。呼べ!ラトクよ、ゼキシスを!」

ラトク
「ゼキシス!お前と決着をつけにきた!」
ゼキシス
「憎きデュエル!!また貴様か!このような未来にまで姿をあらわすとは!」
ラトク
「俺はデュエル戦士のラトク・カートだ!」
ゼキシス
「それが今の名か!だが、そのちっぽけな人の体で何ができる!」
サーク・ソード
「奴はお前のことをデュエルだと思っておる」
ラトク
「なんだって?」
ゼキシス
「来い!デュエル!時の必然、曲げてみせる!」
サーク・ソード
「ラトクよ、われらの敗北は世界の滅亡としれ!」
ラトク
「いくぞ、サーク・ソード!今、この時、この場所で、俺はデュエルの生まれ変わりだ!」
サーク・ソード
「おぅ!!」


ゼキシス戦


ラトク
「イスファンテさん…?」
イスファンテ
「ついに、ゼキシスを倒したのね、ラトク。あなたならできると信じていたわ。」
ラトク
「ここはどこなんだ?どうしてイスファンテさんがここに?」

ゼキシスが現れる

ラトク
「ゼキシス!」
サーク・ソード
「落ち着けラトクよ。もはやそのゼキシスは絶命しておる。」
ラトク
「…ここは、いったいどこなんだ?」
サーク・ソード
「ここは封印の間。三界が分離させられた時に作られた。目の前にある三本の鎖は、それぞれの界にかけられた封印を象徴しているのだ。」
イスファンテ
「この鎖はそれぞれ、各界のある人物の生命と直結しているの。見て、ゼキシスが死んだ今、妖魔界の封印がとけたわ」

妖魔界の封印の鎖が砕け散る。

サーク・ソード
「皮肉なものよ。自らが死すことが封印を解く鍵であったのだ」
ラトク
「待ってくれ、ということは、三界を合一するということは…」
サーク・ソード
「その通り。鎖の守護者の死を意味する。妖魔界の鎖の守護者はゼキシス」
イスファンテ
「妖精界の鎖の守護者は私…」
ラトク
「…では、人間界は…!……くそ、なんてことだ!しかし、これをやりとげなければ…世界は…」
サーク・ソード
「ラトクよ。心優しきデュエルの末裔よ。人間界の鎖の守護者は、この私、ジン・オブ・サーク・ソードなのだ。さあ、ラトク、我が刃もて、封印をときはなて!」
ラトク
「…しかし、そんなことをすれば…」
イスファンテ
「やりなさい、ラトク。私たちは、そのために生きてきたのだから」
ラトク
「…そんな!できない!俺にはできないよ!」
イスファンテ
「ラトク!選択の権利はあなたにはないのよ。私たちは、永遠の緑野でデュエルと過ごすことを約束されているの。だから心配しないで。あなたがいずれ年老いて永遠の眠りに入る時、その時にまた会えるわ。」
サーク・ソード
「さあ、ラトクよ、やるのだ!」

ラトクが妖精界の封印の鎖と人間界の封印の鎖を砕いた。

ラトク
「イスファンテさん!サーク・ソード!」

イスファンテ
「すべては終わりました…いえ始まったというべきかしら…?」
サーク・ソード
「ラトクよ、行け!古き世界は終わりをつげ、新しき世界が生まれる。行って切り開け!人生という広大な地平を!」

ラトク
「ありがとう、サーク・ソード…。さようなら、イスファンテさん…あなたたちのことは忘れません。仲間と共に何ができるかを見ていてください。」

イスファンテ
「さあ、行きなさい。あなたをまつ沢山の人々のもとに…」
サーク・ソード
「さらばだ、ラトク。新しい時代に平和と繁栄を!」
ラトク
「デュエルの名にかけて誓うよ」


夜叉部下
「なんだ、これは…?」
妖魔
「…魂…?」
夜叉部下
「夜叉騎士様が…」
妖魔
「ゼキシス様が…討たれた…と?」
夜叉部下
「戦いは…」
妖魔
「終わったのか…」

ガフーの部屋

ガフー
「やった、やった、やったである。ラトクが妖魔王を倒したである。生まれてこの方、こんなにうれしい日は初めてである。」
カボチャ頭
「よかったであるな、マスター」
ガフー
「よかったである」


飛空船

航海長
「提督!古代遺跡地帯の南南西に草原があります!若干の障害物がありますが、着艇できそうです!」
レオーノフ
「よし、着艇用意!バチスカン!」
バチスカン
「アイアイサー!180度回頭、推力5、微速前進、ヨーソロー」
バチスカン
「うわっ!こんちくしょうめ!提督、これで三回目の発光現象ですぜ。こうピカピカ光ったんじゃ、操船もなにもあったもんじゃありませんや!」
レオーノフ
「…原因はわからんが、このサーク界に何かが起こっているのは確かだな。ラトク…リューン…生きて帰ってこい!お前を待っている人たちがいる、この世界へ!」
バチスカン
「着艇します」
レオーノフ
「よし、全艦、耐衝撃防御!」


暗黒大陸

フレイ
「誰かきた!」

リューン
「レオ!やっぱりあんただったか!どうやらオンボロ飛空船も直せたようだな」
レオーノフ
「あたぼうよ!俺も、俺の船も、不死身で通ってるからな!」
フレイ
「リューン!ラ、ラトクは?」
リューン
「…」
フレイ
「…まさか!!」
リューン
「…わからねえ。途中で別れちまったんだ…。いないのか?もしかしたら、先に脱出したかとも思ったんだがな…」
フレイ
「…そう…」
リューン
「あー、その、なんだ…。…フレイ、ラトクを信じろ!それしかできないのなら、全力で…な」
フレイ
「…うん。ありがとう、リューン」

メスロン
「…ユンカース…どうやら、私も、あなたにお別れを告げなくてはならないようです…」
ユンカース
「…今がその時なのか…?」
メスロン
「ええ…。自分のことですからね。わかりますよ」
ユンカース
「メスロン!」
メスロン
「…ああ、長かった戦いの日々もようやく終わる…。今、君のもとへいくよ…」

メスロンの体が消え去る。

ユンカース
「…メスロン…さらば、我が戦友…。今はただ、忘れて眠れ…」


妖精界

妖精
「おぉ、また、世界が震えましたぞ…!」
妖精
「世界に何が起こっているのでしょう?」
妖精
「妖魔の侵攻と何か関係があるのでしょうか?」
妖精
「破滅じゃ…世界は崩壊するのじゃ…。この世界の震えは、世界が崩れる前触れに相違あるまい」
ピクシー
「…ラトク…生きていて!」
ピクシー
「ラトク!ラトクなのね!よかった…心配してたんだから…」
ピクシー
「そう、イスファンテ様が…」
ピクシー
「え!?私が?」
ピクシー
「…そう…。わかったわ、ラトク。それがイスファンテ様のご意向なのね。」
ピクシー
「みなさん、落ち着いて聞いて下さい。先ほどから続いているこの揺れは、大界合の兆しなのです。イスファンテ様がついにその勤めを果たされたのです…!」
妖精
「それは本当なのですか…?」
妖精
「…!!」
ピクシー
「…」
妖精
「大精霊エスピノーザ様に仕える新しいお方、ルゥ・ミーリ様に栄光あれ!」
妖精
「万歳!新しきお方に誉れを!大精霊エスピノーザ様の愛し子、ルゥ・ミーリ様、万歳!」
妖精たち
「ルゥ・ミーリ様、万歳!」
ピクシー
「いってしまうのね…ラトク?」
ピクシー
「そうね、いつでも会えるわよね。…さようなら、ラトク。」


オクタフォージ

スティギモロク・スピニファー
「デュエル戦士か…私のことは放っておいてくれ!」
スティギモロク・スピニファー
「…イスファンテ…」
スティギモロク・スピニファー
「わかっておる…悲しんだところでイスファンテはもう帰っては来ぬ。…だが、今だけは悲しみを隠さずにいたいのだ」


暗黒大陸

レオーノフ
「…遅いな」
ユンカース
「待ってても来ねえかもな」
リューン
「何ぃ!?」
フレイ
「喧嘩しないで!ラトクはきっと帰ってくるわ!ラトク、帰ってくるよね…約束したもの」
リューン
「お、おい、あれ!なんだ?」
レオーノフ
「エルモの火か…いや、そんなはずはねぇな」
フレイ
「ラトク!あれはラトクよ!私にはわかる!」
リューン
「フレイ…気持はわかるがな…しかし…」
ホーン
「どうやら、フレイの言うとおり、あれはラトクのようですよ」

光はラトクに姿を変えた

フレイ
「ラトク!」

リューン
「この野郎!心配かけやがって!」
レオーノフ
「全くだ!」
ホーン
「ラトク!よく無事で…!」

ユンカース
「小僧!」
ラトク
「ユンカース!」
ユンカース
「やったな」
ラトク
「ああ。だけど払った犠牲は大きい…」
ユンカース
「…そうだな」
ラトク
「さあ、帰ろう…懐かしい故郷へ!レオ!用意はできてるだろう?」
レオーノフ
「もちろんだ」


ウェービス城〜フェアレスの町

ラトク
「母さん、ただいま」
サリア
「ああ、ラトク…!!」
ラトク
「母さん…」
サリア
「フレイ…おかえり。けがはないかい?」
フレイ
「はい、おばさま」
エリス
「ラトク…」
ラトク
「ただいま、エリス。長かった旅も、ようやく終わったよ」
エリス
「御苦労さま。さあ、家に入りましょう。話はその後よ」
フレイ
「…」
ラトク
「フレイ、一緒に来ないか?」
フレイ
「!!うんっ!行く!!ラトクと一緒なら!」

ウェービス城下町


「一曲お願いできるかしら?あたしのために」
ホーン
「いいですとも。それで、何の詩を?」

「サーガを聞かせてくれないかしら?そうねぇ、勇者のサーガがいいわ」
ホーン
「勇者のサーガですか?…いいでしょう、とっておきのが一つありますから」

ホーン
「夢のまた夢の向こうに、たった一つ、真実を告げる伝説がある…」

EDスタッフロール


モドル