モドル

■おかえりっ! 夕凪色の恋物語

 

教育実習生として故郷へと戻ってきた主人公と、島の人々のふれあいと恋愛の物語。

ってとこでしょうか。

久々に切ない恋愛ものをやった気分です。
文章もキャラクターもしっかりと書かれているので、中弛みなく話の中に入っていけました。
主人公は決して良くできる学生でも、ハンサムでもない普通の大学生で。普通なんだけど、一生懸命で、人の心の痛みをなんとなく感じられる優しい人です。いや、というより教師を志したからには、そういう風にしていこうとしているのかな?どうなんでしょう。

間違ったり、ぶつかったりしながら、それでも諦めない主人公に好感を覚えました、いや、まあそういう選択肢を私が選んでるんだけどね(笑)

 特別でもなく、劇的でもなく、どこにでもありそうな恋愛物語なんだけど、終わったあとにああよかったなあと思えるような、そんな話。秀作だと思います。が、まあ、印象は薄いかな。なんというか、普通すぎて、逆にインパクトはどうしても薄くなってしまいますよね、やっぱ。

宝箱の底でみつけた、小さなビー玉のような。そんな優しい気分になれるような、郷愁を呼び起こすようなお話です。
あと、音楽に使っていた、亡き王女のためのパヴァーヌは、ごっつういい効果をだしてました。選曲に成功してますね。


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