モドル

■ ミッシングパーツ SideA・B

ドリームキャスト晩年期に発売されたこのソフト。ドリキャスでは三つに別れておりましたが、PS2では二つにわかれて発売です。ドリキャスよりもPS2のほうが容量はいるんですかねえ、それはさておき。

探偵ストーリーと銘打つだけあって、久々に推理ゲームとしては本格的なものがでてきたなと思います。純粋に推理を楽しみたいタイプの方にはお奨め。
ですが、悪魔で私個人的にはAVGとして、このゲームを楽しむことはできませんでした。

AVGって、一番重要なものは脚本とかキャラだと思うんですが、どうしたもこうしたも登場キャラに共感が殆どできなかったからです。


いや、もう、こんなの書くのもいやなんですが、色んなところで褒められているゲームだし、けなしてるレビューをみたことないから。
ミッシングパーツ万歳な人は読まないで下さい、苦情は受け付けません。

推理物としてのボリュームは凄いし、伏線も盛りだくさん、謎解きの甲斐はありまくりなのですが、主人公の魅力が薄いというか、主人公のキャラに思い入れがもちにくいのが難点。それくらいたいしたことじゃない、とおっしゃる方もいるかもしれませんが、ゲームの中では主人公=プレイヤーです。共感できなかったらゲームの面白さも半減すると思います。

じゃあ、どういう点で主人公の魅力が薄いのかというと。彼に欠点らしい欠点が見あたらないのです。主人公は普通の青年で料理も得意だし、あえて言うならお人好しすぎることと、お酒を飲むと前後不覚になって色々物を持って帰ってしまうこと。
ていうか、ゲーム中でも散々他キャラにいわれてますがメッチャいい人です。ぱっとみ、欠点が見あたらないです。主人公キャラを一言で言い表すと、お人好しちうくらい。

でも、こんな人いるわけないやろ、ってとこなんですよ。結局は。
これは、他のキャラにもいえるんですけど、
全体的にキャラがみんな嘘臭いんです。
ゲーム全体が嘘臭い、例えばファンタジーとかならなんでもありですけど、
一応現実世界を舞台にしているわけで、設定も現代なのにキャラクタ全部が
嘘臭い。推理物としての内容はしっかりしてるのに、肝心のキャラが…。

あと、ストーリーに関係ない無駄な伏線、寄り道が多いのも苦痛でした。
より世界に入り込むためのものなんでしょうけど…。正直、ネットカフェのバイトの子のエピソードはこれでもかこれでもかというくらい詰め込まれていて、正直もういらん、って感じでしたね。制作者は自分で作ったキャラを、ストーリーとは関係のないところで動かしまくって楽しかったろうけど、ユーザーのことも考えて欲しかった。コトがおこるまでの平穏な描写が長いのは、ひぐらしとか前例がありますけど、あれはあくまで後半部の展開を際だたせるための味付けですから。

そう、そうだ。推理物のストーリーとしてはよくできてるんだけど、イマイチユーザーライクじゃないんだと思う。格好いい音楽、綺麗な絵、スタイリッシュな背景、ねりこんだストーリー、綺麗でいい人なキャラ、制作者は作ってて楽しかったろうけど、全体的にパワー不足。強烈に訴えてくるものがない。だから、私も些細なことが気にかかる、キャラの嘘臭さが鼻につくんです。そう思っても、ゲームにパワーがあれば、そんな嘘臭さもまた魅力になる、きにならない。嘘臭いのならファミコン探偵倶楽部とか逆転裁判の方が嘘臭い、でも、面白い。ありえへんとか思っていてもそれでも面白い。

って、書いていて今気づきました。

正直、ミッシングパーツは面白くなかった。
話は凄くよかったし、絵も音楽もそれなりによかった。キャラもたってるんでしょう、だけど、面白くなかったです。どう考えても、このゲームがネット上で高い評価を得ているのかがわかりません。話が練りこまれているよね〜くらいしか褒めようがないもの。フェイトも話が練り混まれてるよね〜と同じように評価できなくもないけど、あのゲームにはものすごい吸引力がありましたよ、テキストに。ミッシングパーツにはテキストにぐいぐい引き込まれるっつーのもなかったし。他にどこを特筆して褒めればよいのやら…。でも、これってゲームとして致命的ですよね…。


ですので、私としては続編はいりません。ていうか、AVGってエロゲーか美少女物しかあんまり採算とれるくらい売れないと思うので、会社としても出すのはやめたほうがいいと思いますよ。とはいえ、死に体のドリキャスでこれをだしたメーカーですので、自己満足でだすのならご遠慮なくといったところですが。

あーあ、酷評してしまいましたが、私だって購入前はものすごく期待して新品で購入したんです。ぶっちゃけ、ベストプライスの中古で十分でした…。とほほ。


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