モドル
■イース2 エンディングメッセージ(ファミコン版)
そこには、喜びに満ちた顔があった。
(フィーナとレア、マリア、タルフ、キース、ゴーバン、ルタ、リリア)
フィーナとレアが、六人の神官の子孫達が、そして、リリアがアドルを待っていた。


タルフ
「アドル、とうとうやったね!僕の名は本当はタルフ=ハダルっていうんだって。僕はイースの神官の子孫だったらしいんだ。アドルがあいつと戦っている時、僕は一生懸命祈ったよ。黒い真珠がこの世からなくなるようにって。そしたら、何かが砕ける音が響いて、気持ちがスーッと楽になっていったんだ。とにかく、これで世界が平和になったんだね。これからは、魔物を恐れなくていいんだね。・・・あれ?嬉しいはずなのに、なんだか涙が出てきちゃった・・・。」

マリア
「タルフ君。泣いちゃ駄目よ。ほら、私まで涙が出てきちゃったじゃないの。私の本当の名前は、マリア=メサっていうの。魔物がいけにえを次々とささげていたのは、私たち、神官の子孫を探し出すため。私がいけにえの儀式で死ななかったのは、多分、神官の腕輪を持っていたからだわ。魔物は女神が行動を起こしたのを、何らかの形で知り、女神と神官の子孫を見つけ出して殺さなければ、自分たちがやられると思った。それで、手当たり次第村人をいけにえにしていたのね。考えてみれば、ずいぶんたくさんの人々の犠牲の上で世界に平和が戻ったわけだし・・・私は村のみんなと、ここの鐘つき堂に慰霊碑を建てるつもりよ。」

ゴート
「アドル!やったね!ラミアの村で初めて君に出会ったとき、おいらには、もうわかっていたよ。君は、平和を導く指導者なんだってことがさ。・・・ごめん、おいらは口下手だから、まともなことを言おうとすると、からきし駄目なんだ。とにかく、おいらは村のみんなに早く会いたいな。レダのじいさんも、これできっと元気になるよ。」

キース
「俺だ、キースだ。魔法がこの世からなくなったから、魔物の呪いが解けたんだ。やっと人間の姿に戻ることができた。溶岩の牢屋で、俺はもう駄目だって思ったとき、いろんな思い出が頭の中を駆け巡ってさ。そしたら、妹が魔物に殺されたときのことを思い出しちまって・・・。妹が死ぬ間際に言った言葉は今でも覚えているよ。夕日が妙に綺麗な夕暮れだった。あいつは、こう言い残して死んでいった。”魔物は悪い人じゃないよね”ってな。・・・いや変なことをいって悪かった。今はみんなで平和を喜ばなくちゃいけないときなのにな。アドル、改めて、お礼を言わせてくれ。本当に有難う。」

ルタ
「アドルさん、やりましたね。あの時、ダームの塔の前で見てましたよ、屋上から一筋の光が天に昇っていくのを。あなたこそ、本当の勇者です。是非、このエクステリアの国に、残ってください。この魔物に荒らされた国を復興するには、あなたの力が必要なんです。」

ゴーバン
「アドル!やったな!!俺も、ここへくる前に不思議な夢を見たんだ。吃驚したよ。イースが地上に降りるから、サルモンの神殿に来いっていうんだからな。で、空を見上げてみると、すぐそこにイースがあった。中に入ってみれば危機一髪ってわけよ。なぁ、あのイースが空にずっと浮かんでたのも、魔法の力だし、魔物が生まれたってのもそうなんだろ。
アドル。魔法ってのは不思議なもんだな、魔法は俺たちの生活をよりすばらしくするために生み出されたはずなのに、何時の間にか、逆に魔法に支配されてた。自分たちが作り出したものなのに、自ら滅ぼされるなんて、こんなな避けないことはねえもんな。何はともあれ、平和は戻ったんだ。みんなで喜ぼうじゃねえか。
そうそう、ドギがおめえに会いたがっていたぜ。」

リリア
「ああ、アドルさん。無事でよかった。あなたが最後の戦いに向かったときは、もう胸が張り裂けそうでした。こうして、生きて帰ってきたくれただけで、私は・・・」

ゴーバン
「無理すんなよ。おめえ、アドルが好きなんだろ。はっきり言っちまえよ。」

リリア
「もう、ゴーバンさんったら・・・アドルさん、気にしないでね。」

レア
「700年にわたって、天空と地上にわかれていた人間が、再び一つになるときがきたのです。未だかつて、こんな素晴らしい日はないでしょう。
これからは女神も神官も必要ありません。一人一人が自分を信じて、生きていく時代がやってきたのです。私たち二人はこの世に魔法がよみがえらないように、平和がいつまでも続くように、見守っていくつもりです。アドルさんのことは決して忘れません。本当に有難うございました。」

フィーナ アドル
「・・・・・・・・・」

(フィーナとアドルはみつめあったまま、全くしゃべらない。)

マリア
「さて、私たちはそろそろ退散しましょうか。」

ゴーバン
「おう、さすがはマリア、いいこというじゃねえか。アドル、先に行ってるぞ、しっかりな。」

フィーナ
「あんまり胸がいっぱいで、何を話したらいいのか・・・神殿の地下であなたに助けられたとき、短い間だったけど、ジェバの家で楽しい日々を過ごしたとき、なんだか全てがわかったような気がしたの。自分の知らない世界に素晴らしい人たちが生活してるってこと。そして・・・イースはもう、過去の国だってことが。そして、何より、あなたに出会えたことが一番嬉しかった。あなたとは初めて普通の女の子として話すことができたような気がしたから・・・。
レアが待ってるの。私はそろそろ行かなくちゃ・・・アドルさん、時々でいいから思い出してください。私のような、女の子がいたってことを・・・」

アドル
「フィーナ・・・・・・」

(エンディングBGM)
モドル