モドル

■スパイラルウェーブ(HUカード・シューティングAVG?・メディアリング)

スパイラルウェーブ

人類は太陽の異常に直面していた。そして、その糸口となる宇宙からの交信をキャッチしていた。
キーワードは「スパイラルウェーブ」
その確信が究明されるときが来たのだ。


総帥
「おはよう、六角忠介。我がカルムが総力をあげて完成させた外洋母艦ホリーバレル。気に入ってくれたかね?」
忠介
「はい…とっ、ところで彼女は?」
総帥
「その疑似生命体はホリーバレルのすべてを制御するコンピューター。」
忠介
「疑似生命体?」
総帥
「そうだ。脳神経はおろか生物のにおいは全くない。完全な機械人だ。」
忠介
「すごい!よくできている。」
総帥
「それに…驚くな!!それをつくったのは、ほら…よくセンターで忠介と二人で騒ぎを起こしたあの庵だ。」
忠介
「あいつめ!隠してやがったのか!」
総帥
「おいおい、ホリーバレルを壊さんでくれよ?」
忠介
「これくらいでカルムの製品が壊れますか」
ベルフリィ
「しかし…」
忠介
「うわぁ!で、電池入ってたのか…」
ベルフリィ
「しかし可能なら、必要以上の衝撃を与えないでください。無意味です。」
忠介
「こ…これは…気合でだなぁ。」
ベルフリィ
「あなたの言動は論理的ではありません」
総帥
「こら、ベルフリィ。あまり、忠介をいじめるな」
忠介
「ベルフリィ?」
総帥
「そお、彼女の名前だ。」
忠介
「はい、私はベルフリィ…ベルフリィ=プルート=アルファ」
忠介
「まあ、先は長いんだ、冗談くらいは言わせてもらってもかまわんか?」
ベルフリィ
「許可する立場ではありません」
忠介
「皮肉もわからんか」
ベルフリィ
「申し訳ありません」
総帥
「おいおい、そのへんにしとかんか。ごほん!では六角忠介、社命を伝える」
忠介
「はっ!」
総帥
「スパイラル=ウェーブ探査の任につき、火星のエナジックと榊庵をひろい、タイタンへ…そこからデボン星系へ向かってもらう。」
忠介
「わかりました!早速、出航します」
総帥
「なあ、忠介。きっと戻って来い。そしてまた、縁側で将棋を二人でやろう…このまま勝ち逃げは絶対に許さんぞ!」
忠介
「必ず帰ってコテンコテンに返り討ちにしてあげますよ」
ベルフリィ
「時間です」
忠介
「わかっている!」
総帥
「またな・・・」
忠介
「はい!行ってまいります」


ベルフリィ
「火星です。」
「はい、こちらカルム火星支社。」
忠介
「六角忠介。エナジックと榊庵を拾いにきた」
「少々、お待ちください。お待たせしました。榊庵社員はエナジックを完成させ、すでにタイタンへたたれました。知っているとは思いますが、カルムの今回の計画をよく思っていない企業は一つや二つじゃありません。先ほどよりリバールネッサンスの戦闘衛星がホリーバレルの進路上に終結しつつあります。では。」
忠介
「ふん。あんなヘッポコ企業の戦闘衛星など五分でスクラップにしてくれるわ。出せ、ベルフリィ!」
ベルフリィ
「はい」


ベルフリィ
「戦闘空域を制圧確認。御無事で何よりです。六角様。」
忠介
「急げ、ベルフリィ!わが心、すでにタイタンにあり!はーっはっはっはぁ!」
ベルフリィ
「は…はぁ…」


ベルフリィ
「タイタンです。」

忠介
「ハーッハッハッハッハァ!六角忠介、見参!榊庵とエナジックを拾いにきた」

「こ、こちら、カルムタイタン支社、しばらくお待ちください。庵様、ご乗船の船はまだおつきになっていませんが。」
忠介
「そーだろ、そーだろ、ハーッハッハ、なんたって、カルムが総力をあげてつくったこのホリーバレルがエネルギー過剰消費でぶっ飛んできたんだからな。ハーッハッハッハァ!」

「カルムの明日が見える・・・」
ベルフリィ
「あなたのような人を俗にお馬鹿さんというのではないのでしょうか」

「少し違うな。お馬鹿さんではなく大バカ者というのだ」
忠介
「なぁんだとぉーー!ベルフリィー!」
ベルフリィ
「違います。外部からの強制割り込みです。」
忠介
「何?」

「榊庵をいくら待ってもタイタンには現れんぞ。我々、栄光あるリバールネッサンス社が、来客として迎えているのだからな」
忠介
「なんだと!?」

「まっ、少々手荒なまねもしたがね」
忠介
「何が目的だ!?」

「簡単な話だ。世の中は急激な変化を望まんのだよ。君たちカルムの今回の計画はあらゆるバランスに影響を与えすぎる。」
忠介
「ふざけるな!地球が、太陽系が…消えちまうかもしれないんだぞ!」

「カルムが救うか、我々リバールネッサンス社が救うかだな、だが、我々も卑怯者ではない。貴様一人でくるか、全面戦争か、選ぶチャンスをやろう・」
忠介
「その腐った根性。今すぐ叩きなおしてやる!場所は!?」

「冥王星…プルートーの枕元で」
忠介
「承知」

「待って!話は聞いてました。私たちタイタン支社も協力します。エネルギーを補充しました。」
忠介
「よし、行くぞ。ベルフリィ!冥王星だ!」


ベルフリィ
「プルートです。レーダーに反応多数。攻撃願います。」
忠介
「おお!」


忠介
「ハーッハッハッハッ、思い知ったか、おろかもの!」
?_
「ま…負けだ…我々の完敗だ。同じ人類の未来にかけるものとして、協力させてくれないか?」


「そうか。だが、君たちの成功だけは祈らせてくれ」
忠介
「いいとも!」



「忠介、やったな!やっぱりお前は俺の親友だ」
忠介
「ハッハッハッ、そーだろそーだろ、ハーッハッハッ!」

「イヤァ、アステロイドベルトで捕まった時は、もう駄目かと思ったよ。ところで、忠介、エナジックの取り付けは終わったぞ。」
忠介
「ほんとかっ!じゃあ、いつでも航海にでられるんだな」

「忠介、必ず戻ってこいよ」
忠介
「おお」

「おまえの命と…それとベルフリィを大事にしろよ。俺の最高傑作だ」
忠介
「任せとけ!」
ベルフリィ
「時間です、忠介」
忠介
「それでいい、ベルフリィ」
ベルフリィ
「は?」
忠介
「忠介でいい。ベルフリィ。堅いのは疲れる。じゃあな、庵」

「じゃあな…」


ベルフリィ
「デボン星系最外周惑星クザンです。」
忠介
「なんだ!」
ベルフリィ
「ホリーバレルに戦闘速度で近づく多数の物体を確認しました。」
忠介
「どこの?まさかデボンのものではあるまい?」
ベルフリィ
「はい、おそらくリバールネッサンス社のものかと思います。」
忠介
「しょうこりもなく、まだやる気か、あの企業は!コマンダーはいるのか?」


ベルフリィ
「制圧確認。ホリーの美しい装甲に傷がついてしまいましたわ。気をつけてくださいね」
忠介
「あのなあ」
ベルフリィ
「はい?」
忠介
「俺の体はどーなってもええゆうんか、ああ?」
ベルフリィ
「コンソールパネルをバンバン叩かないでください!」
忠介
「はい」
ベルフリィ
「それと、先ほど残骸を調べた結果、やはりリバールネッサンス社のものでした。」
忠介
「だ…だろうな。データではデボン星系の文明レベルは地球でいう18世紀頃程度のはずだからな」
ベルフリィ
「それで、その出撃地点ですが、どうもクザン地表付近と思われ、なにか生産ユニットのようなものがあるはずです」
忠介
「はず?」
ベルフリィ
「はい、おそらくジャミング…もしくは大気成分のためかと思われますが・・・地上をスキャンできません。光学機器も役に立ちませんし、もちろん、地上との交信も不可能と思われます」
忠介
「ふむ。データにある隣のタントゥはどうだ?」
ベルフリィ
「最後の調査では、無人ということになっていますが」
忠介
「そこに行ってみよう」


ベルフリィ
「タントゥです。レーダーに反応多数。攻撃願います。」
忠介
「おお!」

忠介
「ふう、また、奴らか?」
ベルフリィ
「はい、タントゥはデータ通り、生物は細菌すら生きられません。また、生産ユニットの有無は不明」


ベルフリィ
「クザンです。」
忠介
「どぉせまたわいてきただろ?」
ベルフリィ
「はい、攻撃願います」

忠介
「ふぅ…」
ベルフリィ
「御苦労さまでした」


ベルフリィ
「ネラへの航路がひらけています」
ベルフリィ
「ネラです。艦影が見えます。おそらくリバールネッサンス社の前衛艦隊だと思います」
忠介
「くそったれ!ベルフリィ、出るぞ!」
ベルフリィ
「待ってください、リバールネッサンスより通信が入っています」
忠介
「なんだぁ?」

「もうこんなところまで来たのか、カルムの犬どもめ!本社の艦隊はいったいどーしたというのだ」
忠介
「どうってなあ…ベルフリィ」
ベルフリィ
「なあって、私にふられても困ります」
忠介
「テヘヘ…」

「貴様らは一体なんなのだ!私は本社の艦隊はどーしたかときいている!」
忠介
「聞きたい?」

「ききたい」

忠介
「あのね…ぜーんぶやっつけちゃった」

「おっ…おのれ!」
ベルフリィ
「全艦隊、突撃してきます」
忠介
「おもしろい、相手をしてくれるわ」

ベルフリィ
「通信が入っています」
忠介
「つないでくれ」

「我々の負けだ…撃たないでくれ、降伏する」
忠介
「俺は殺人鬼じゃないし、武装解除の必要もない。立場こそ違えども、我々は同じ目的を持っているはずだ」

「す…すまないことをした。たとえ社の命令とはいえ、同じ人類の未来にかける者同士がくだらぬセクト主義に振り回され相争うとは…思えば愚かなことだ」
忠介
「い、いや俺も好きで戦っているわけじゃない。で、早速で悪いがこのデボン星系のことを教えてくれないか?」

「いいとも、デボンの文明は地球の18世紀頃とよく似いてた。ところが二か月前に我々がこの星系に来てみると、突然襲い掛かってきた艦隊があった。私の弟は最初の攻撃で死んでしまった…かたきを討ちたいのだが、我々にはもう太陽系に帰るだけのエネルギーしか残ってないのだ。装備もほとんど放棄するが君らにはまだ役に立つしろものもあるだろう。」
忠介
「なんだ、これは?」

「ユニット生産システムだ。ただ、それはキーユニットをルー=ガーニバ…レシテンに帝都をもつ最大の勢力国家なのだが、そのフーター基地の軍隊に持ち去られてしまった。」
忠介
「わかった。ベルフリィ!ホリーをフーターに向けろ。」

「クザン、タントゥの自動兵器はもう君たちを攻撃しないようにしておく。」
忠介
「助かる。太陽系まで無事にな。」


ベルフリィ
「フーターです。」
忠介
「なっ、なんだ、いったい!」
ベルフリィ
「フーターからの直撃です。」
忠介
「くそっ!警告もなしか」
ベルフリィ
「敵はレシテンに向けて後退しています。フーターの地表には軍事施設しか見当たりません」
忠介
「となると、大陸系の企業が条約を破って、この星系に武器を売ったということか?」
ベルフリィ
「いえ、残骸から地球の製品ではないというデータが得られています。」
忠介
「じゃあ、俺たち以外にこの星系と接触した文明が存在すると?」
ベルフリィ
「なんともいえません」
忠介
「決まりだ。レシテンに向かえ!」


ベルフリィ
「強制割り込みです」
ガガーリン
「ようこそ、ルー=ガーニバへ…デボン星系より太陽系の一番乗りはこのルー=ガーニバ皇帝ガガーリンと決まっておるのだ。しぬ前に覚えておくがいい。」
ベルフリィ
「敵集団確認!」
忠介
「フッ。俺は殺生はきれえだ…だが・・・」
ベルフリィ
「早く行ってください!ホリーが壊れちゃう!」
忠介
「はいはい、いつもホリーホリー。」
ベルフリィ
「ハイは一回で充分です。」


ガガーリン
「な・・・なんてことだ。だが、私の力はこんなものではないぞ。クザンにくるがいい。」
ベルフリィ
「敵残存勢力のクザンへの移動を確認。ホリーも損害ありません。よかったですね。データが送られてきました。…かなりひどい政治体制だったようですね…どうやら、ガガーリンはトゥレイドと呼ばれる星の向こうからやってくる商人?…から兵器を買っていたみたいで、キーユニットはガガーリンがクザンへ持ち去ったそうよ。」
忠介
「どのみちあの野郎は太陽系に攻め込むつもりだ。かたはつけないとな」


ベルフリィ
「クザンです。」
忠介
「ガガーリンはどこだ。」
ガガーリン
「よくきたな。ははは。約束通り、貴様らの愚かさを思い知らせてくれるわ」
ベルフリィ
「地表から何か上がってくるわ…リバールネッサンス社の残した永久要塞だわ・・・大丈夫なの?」
忠介
「きけよ、ベルフリィ…」
ベルフリィ
「何…」
忠介
「ベルフリィ…お前、自分の存在意義を考えたことはあるか?」
ベルフリィ
「存在意義って…私はホリーを動かして忠介やスパイラルウェーブを無事、太陽系に持ち帰って…」
忠介
「そのあとは?」
ベルフリィ
「太陽系に戻って…そのあとは…その…」
忠介
「俺は地球をでてから、何度も戦いに出た。…俺はお前のいるホリーを守るつもりで戦っている。」
ベルフリィ
「どーいうこと?」
忠介
「わからないか?俺はお前が気に入っている…」
ベルフリィ
「よくわからないけど…私は、私自身の存在自体に意味があると考えていいの?」
忠介
「…そーいうことだ。」
ベルフリィ
「あ…ありがとう、忠介」
忠介
「じゃあ、いってくる」


ベルフリィ
「お帰りなさい。忠介」
忠介
「おう、帰った。で、早速だがホリーをレシテンに向けろ」
ベルフリィ
「かまわないけど、なんでまた」
忠介
「ガガーリン。ありとあらゆるものを腐るほど、ためこんでいやがった」
ベルフリィ
「それを?」
忠介
「それを元の持ち主たちの手にかえす!悪いか?」
ベルフリィ
「私は好きですけど?そういう人」
忠介
「なら、いいのだ」


ベルフリィ
「レシテンです。キーユニット設置完了。ユニット生産システムが使用可能です。キーユニット以外は本当にみんな返しちゃうわよ?いいのね?」
忠介
「くどい!武士に二言はないのだ!」
ベルフリィ
「ハイハイ。」
忠介
「はいは一回でよろしい」
ベルフリィ
「はい…あっ、通信が入っています。」
忠介
「誰からだ?」
ベルフリィ
「レシテンではどーやら市民革命がおきたようで、そのリーダーからよ」

「…ご、ご無礼を承知でお尋ねしたいのですが、あなた方は神なのですか?それとも悪魔なのですか?」
忠介
「はっはっはっ、違う、違う。俺たちは君らと変わらん人間だ」

「で、では、あのガガーリンに鉄の騎士を売っていた星の向こうの承認…トゥレイドなのですか?」
忠介
「いや、違う。そもそも、そのトゥレイドというのは、何なんだ?」

「何もわかりません。ただわかるのは、彼らの売った鉄の騎士が我々の家族や友人をあの光る槍でいとも簡単に殺したということですよ。」
忠介
「…」

「そして、二度とあの悲劇を繰り返さないため、もっと強い力が欲しいのです。自分たちの国を守るため。もっと強い力が。あの赤い目の騎士のような。」
忠介
「わかった。クザンとネラにその赤い目の騎士をつくる城がある。それを君らにやろう」
ベルフリィ
「忠介、あれはリバールネッサンス社のもので…」
忠介
「お黙り。武士に二言はないのだ!」

「よろしいのですか?ありがとうございます。…で、お礼になるかどうかわかりませんが。王宮に海図のようなものがあったので、それをさしあげます。」
忠介
「海図?…なんだこりゃ…?」
ベルフリィ
「これは、隣の星系までの航海図だわ・・・星系ソード=ブレイドまでの。」
忠介
「では、目指せ、ソード=ブレイドへ!!」


ベルフリィ
「ソード=ブレイド星系、最外周惑星ダガーよ」
忠介
「外の様子は?」
ベルフリィ
「各惑星に人は住んでいるみたい。文明もかなり進んでいるわ。とりあえず、ダガーと通信してみる?」
忠介
「いや、やっぱりやめとこぉ」
ベルフリィ
「近くから通信が入っているわ。」
忠介
「内容は?」
ベルフリィ
「言葉の意味はわからないけど、文法とアクセントからSOSだと思うわ・・・行ってみる?」

ベルフリィ
「忠介!そおゆう人でなしなことでいいわけ?」
忠介
「いや、そーゆうわけじゃ」
ベルフリィ
「おだまりなさい!ほら、行くわよ!反応を確認したわ。忠介。どーやら一隻の船が攻撃されてるみたい。」
忠介
「」この星系のパイレーツか?それともとりものか?
ベルフリィ
「さあ…ただパッと見た感じ、弱い者いじめってかんじね。…キャッ!」
忠介
「きまった、ベルフリィ!あの船に加勢するぞ」
ベルフリィ
「あの船から通信が入っているわ」
トゥレイド
「私たちはトゥレイド。星間商人です。助けてくださり、ありがとうございました。私たちもボウに向かうところなのですが、ご一緒させていただけませんか?」
忠介
「かまわんが」
ベルフリィ
「…忠介…デボンのガガーリンに武器を売ってた、星の向こうからきた商人って、あの人たちかその仲間よ。」
忠介
「ああ…だが、兵器を使ったのはガガーリンであって、トゥレイドではない。まっ、様子をみよう」
ベルフリィ
「そうね…」


ベルフリィ
「ボウです」

「トゥレイドの船を救ってくださったのは、あなたがたなのですか?」
忠介
「ん・・・まあ、そおいうことになるかな」

「チタンナイト王にかわって、心から感謝します」
忠介
「チタンナイト王?」

「あなた方は旅の方で?…では簡単にご説明いたしましょう。…私たちは200年前から内戦を続けてきました。しかし、それもチタンナイト王、自らが指揮され、終止符がうたれるはずでした…」
忠介
「失敗したのですか?」

「いや、ランスの衛星軌道からローゼンクロイツの軍勢を一掃、奴らはブラッドフレイルに逃げ帰るまで我々の誰もが内戦の終結を確信しました。…しかし、勝利を目の前にしてチタンナイト王は、軍勢をランスに引き返させてしまった。」
忠介
「何故です!」

「エスペラント王女がさらわれてしまったのです…」
忠介
「いったい誰が!…ローゼンクロイツ?」

「すみません、話が長くなりました。ランスでチタンナイト王がお待ちです。王はあなた方に会いたがっておられます。」
忠介
「では、はなやかなる王宮へと参りましょう、ベルフリィ様?」
ベルフリィ
「参りましょう、光輝く社交界へぇぇ!!」

「…なんだかなぁ…」


チタンナイト
「私がチタンナイト=キャッスルゲートだ。先ほどはそなたらが、トゥレイドの船を救ってくれたそうだな。礼を言うぞ。いや、実際君らがトゥレイドの船を助けてくれなかったら、内戦はもっと長引いたものとなっていたはずだからな。」
忠介
「どういうことです?」
チタンナイト
「彼らは200年も続いたこの内戦に、我々の勝利をもって決着をつけてくれるたのもしい女神をもたらしてくれたのだからな」
忠介
「女神とはなんなんです?」
チタンナイト
「装甲をまとった女神さ。惑星攻略用の大型戦闘母艦さ、すべては明日、おわる。」
忠介
「王女はどーなるのです!エスペラント王女は!」
チタンナイト
「この内戦で多くのものが死んだ!父を失った者、家族を皆殺しにされたもの!…そんな者たちに実の娘がさらわれたからといって、さらに多くの血を要求できるほど、私は卑怯でも恥知らずでもない!」
忠介
「しかし…」
チタンナイト
「…すまない。だがこれは私たちの問題だ。君が気に病むことはない。そういえば君たちはスパイラル=ウェーブとやらを探して旅をしているそうだな。あいにく私はそれについて何も知らないが、トゥレイドの海図があればなにかの役に立つだろう。」
忠介
「海図?」
チタンナイト
「なぁに、金はいらんよ。女神の礼だ。あっ、すまんが、海図はボウにいるトゥレイドから直接受け取ってくれ。」
忠介
「あ…ありがとうございます。陛下。」
チタンナイト
「礼はいらんと言っただろう。また、会いたいものだな」
忠介
「はっ!必ず」
チタンナイト
「うむ、元気でな」
忠介
「陛下も…」


ベルフリィ
「ボウです。…トゥレイドの船影は…みえないわ。ちょっと待って…でたわ」

「何のご用でしょう」
忠介
「私たちはトゥレイドの船を探しているのですが…こちらに来てません?」

「いえ、こちらには女神の最終調整を終わらせて私たちはてっきりランスに向かわれたものとばかりに…」
忠介
「いや、ランスには…ダガーじゃないのか?」

「馬鹿な、あそこは内戦を嫌って、今では鎖国状態です。しかも強力な武装中立国をきどって、近づくものは誰彼かまわずうちまくってきますよ。全くどこから手に入れているんだか…」
ベルフリィ
「忠介?…ダガーに武器を売っているのって…」
忠介
「ああ、おそらくトゥレイドだろう」


ベルフリィ
「…上手くダガーの防衛網の死角に入ったみたい。うってくる気配はないわ」
トゥレイド
「これはこれはいったいどーしたんです?こんな危険な空域で」
忠介
「貴様らこそ何をしている。まさかダガーに…」
トゥレイド
「おっと・・・私も大概の事は平気ですが、痛くもない腹をさぐられるのは気に入りませんね。」
忠介
「まあいい。俺は海図を受け取りにきた。」
トゥレイド
「えー…はい、うかがっております」
エスペラント
「助けて!私はエスペラント。みんなだまされているのよ!このままでは…きゃっ!」
忠介
「な・・・なんだ今のは!エスペラント?今のはエスペラント王女か!?」
トゥレイド
「い…いやいや、申し訳ありません。先ほど、パイレーツに襲われた時、精神に異常をきたしたものがでまして…」
ベルフリィ
「忠介!まずいことになったわ!後方プログラムに問題が見つかったの。早くデッキに入れないと…」
忠介
「あっああ、それじゃ、また」
トゥレイド
「…いつもけたたましい人たちですねぇ。だから・・・おとなしい人たちになってもらいましょう。…死人と同じくらいにね」
忠介
「おい、プログラムに問題があるんだろ?見なくていいのか?」
ベルフリィ
「馬鹿ねぇ、あれは口実よ。さっきの姫…本物よ」
忠介
「だったらあの場ですぐに…」
ベルフリィ
「やってやれなくはないでしょうけど。ダガーから背後をつかれるのはおもしろくないわ」
忠介
「あったまいーー、ベルフリィちゃん」
ベルフリィ
「褒めて、褒めて、それに一応ランスのチタンナイト王に確認もとりたいし…もっとも」
忠介
「もっとも?」
ベルフリィ
「もっとも無事につければの話だけど…そこいらじゅう、敵でいっぱいよ」
忠介
「トゥレイドも馬鹿じゃないか。ふん、思い知らせてくれるわ」
ベルフリィ
「このままランスまで行くわよ?」
忠介
「ああ、行ってくれ」


忠介
「ついたのか?…ほんとについたのか?」
ベルフリィ
「ええ…やっとついたわ。」
チタンナイト
「いったいどーしたのだ、そんなにあわてて。」
忠介
「エスペラント王女がトゥレイドにつかまっています」
チタンナイト
「なんてことだ、あのウジ虫どもね!…しかし、この重大な局面でエスペラントの救出にさける兵力など…六角忠介、すまないがそなたらエスペラントを救ってきてはくれぬか?…たのむ。やつらはボウにいる」
忠介
「そのお言葉、待っておりました!」

忠介
「いたか?」
ベルフリィ
「もう捕捉してるわ。…言い訳でもきいてみる?」
忠介
「おもしろい。コンタクトしてくれ。」
トゥレイド
「…生きてらっしゃったとは、で、どーするつもりです?我々と…エスペラント王女を…」
忠介
「素直に渡せばよし。さもなくば…」
トゥレイド
「はははは。私の負けです…ですが、王女をお返しするのとひき替えに我々の安全も保証していただけるのでしょうね?」


NO→
忠介
「やだね、トゥレイドの諸君!君らはこれから私の厳罰主義をその身をもって知ってもらうことになるのだよ。」
トゥレイド
「まっ、待って下さい。あなた方は正義の冒険者ではないのですか?」
ベルフリィ
「正義、それは自分にとって都合のいい理屈や倫理観の上に成り立つ」
トゥレイド
「王女はどーするのです!」
忠介
「はーっはっはっ!実力をもって救出する」
トゥレイド
「そっ、そんな馬鹿な!」
忠介
「ふふん、だが素直に姫を返し、その上で…」
トゥレイド
「その上で?」
忠介
「マーカーで顔にひげをかけ。」
トゥレイド
「へっ?…わ、わかりました」
忠介
「はーっはっはっ…ぷぷっ、こりゃたまらん。…こっ、こらベルフリィそんなに笑うと…うひゃひゃひゃ!」
ベルフリィ
「だってだって…ぷっ…あはははは!」
トゥレイド
「で…では確かにお返ししましたぞ!では」
エスペラント
「なんとお礼を言ったらいいか…本当にありがとうございました」
忠介
「いっ…いやなに…ぷっベルフリィ、ホリーをランスに!…くっ…あーっはっはっ!」


YES→
ベルフリィ
「甘いわ!忠介!奴らの根性を叩き直し、王女を助けるのよ」
忠介
「はいはい」
エスペラント
「あなた方が助けてくださってのですか?何とお礼をいったらいいか…」
忠介
「いえ、とんでもない…それより王がランスでお待ちです。王女」


エスペラント
「お父様!ああ、お父様…」
チタンナイト
「つらかったろう、エスペラント。だがそれも今日までの話だ。…明日、すべての決着がつく」
エスペラント
「いけないわ、お父様。私は知ってしまったのです」
チタンナイト
「何だ?…何をいっているのだ」
エスぺラント
「私をさらって、彼らは自慢げに話したわ。この星系ほどもうかる星系はほかにないって…だから、国力の疲弊したローゼンクロイツ王に見切りをつけた彼らは、お父様がローゼンクロイツ王に勝利した後、ダガーの仕業にみせかけて、私を殺し、ダガーとこの国を戦わせるつもりなの…」
チタンナイト
「…だが、そうとわかっていてもケリはつけねばならん」
エスペラント
「お父様!」
チタンナイト
「聞いてくれ、エスペラント。ローゼンクロイツ王が力を残したまま負けを認める人ではないことは、おまえが一番よく知っている筈だ」
エスペラント
「…はい」
チタンナイト
「彼らも我々も自分は正しいと信じ、それにほこりをもって戦っている。…悲しいことだがな」
忠介
「まっ…待って下さい。チタンナイト王!」
チタンナイト
「何だ?」
忠介
「ぜひ私に和平の使者の役目を!」
エスペラント
「私も行きます!」
忠介
「そんな無茶な」
エスペラント
「あなた方だけでいってもローゼンクロイツ王は信用してくれないでしょう?」
忠介
「そ…それはそうですが」
エスペラント
「何があろうとあなたの罪にはなりませんわ」
ベルフリィ
「ブラッドフレイルに向かって下さい」

ベルフリィ
「ブラッドフレイルです。正面にブラッドフレイルの防衛ライン確認。むこうもこっちを確認したみたい」

「はっはっは!いい標的が飛び込んできたわ!」
エスペラント
「やめてください!私はチタンナイトの娘、エスペラント!」

「これは…エスペラント様…何故このような所に」
エスペラント
「ローゼンクロイツ王に会わせて下さい!」

「それはできません!あなた様にもわかっている筈です!確かに前のランスのきとう戦で、私のいた部隊はあなた様の身を挺した作戦中止指令で助かりました。ですが…」
エスペラント
「そこをどいて!時間がないのよぉ…」

「我らが屍の上を…」
ベルフリィ
「敵艦接近」
ベルフリィ
「続いてブラッドフレイルの防衛戦列、突撃してきます…凄い数だわ!」

エスペラント
「…何人死んだのかしら…」
忠介
「すみません」
ベルフリィ
「忠介は悪くないわ、王女!」
エスペラント
「わかっています…一刻も早くソードブレイドへ!王に…ローゼンクロイツ王に早く会わなければ!」

ベルフリィ
「ソードブレイドです」
エスペラント
「ローゼンクロイツ王!」
ローゼンクロイツ
「エスペラント…どーしてこんなところに…」
エスペラント
「この戦いは仕組まれたものなのです!200年も前から、あのトゥレイドによって!…私たちはトゥレイドのおもちゃじゃないのよ!」
ローゼンクロイツ
「だから犬のようにしっぽをふって、チタンナイトに命乞いをしろというのか王女よ」
エスペラント
「違う!違うわ!」
ローゼンクロイツ
「我々ソードブレイドの民を誇りも持たぬ卑怯者とお思いか王女よ。この戦いは何もトゥレイドの罠だけで始まったものではない。一度はけりをつけなければならん」
エスペラント
「ローゼンクロイツ王!このまま戦えば、ソードブレイドに勝ち目はないわ」
トゥレイド
「そうでもありませんよ、王女」
エスペラント
「トゥレイド…」
トゥレイド
「そこの六角様には、少々恨みがありまして…チタンナイト様も私どもとはもう取引できないとおっしゃいますし、せっかくですからはるばる持ってきた女神を使わせていただきますよ」


ローゼンクロイツ
「聞き分けのない人だ…」
ベルフリィ
「前方より大型艦、接近!」
忠介
「王女、シェルターへ!ここは危険です!」
エスペラント
「いやです!何をされてもここを動きません!」
忠介
「この星系の人間はどいつもこいつもわからずやだ…出るぞ!」


ベルフリィ
「けがはない?忠介」
ローゼンクロイツ
「き…貴様らは、いったいなんなのだ」
忠介
「どーいうことだ」
ローゼンクロイツ
「…きさまらは奴の、チタンナイトの血族だとでもいうのか!この戦いは我々の、我々のための将来をかけた戦いだったのだ。…忘れんぞ!」
エスペラント
「待って!」
ローゼンクロイツ
「お別れです、エスペラント王女…」
エスペラント
「お願いします、六角様!彼を説き伏せて…お願い」

「お迎えにあがりました。姫、火線が見えたのでもう駄目かと思いました。」
エスペラント
「で…でも…」
忠介
「ローゼンクロイツ王のことはお任せください。王女」
エスペラント
「あ…ありがとう!…ではトゥレイドが持っていたテンプルベルの海図をお渡しします」
忠介
「たしかに…ではお気をつけて」
ベルフリィ
「も!なにデレデレしてんのよ、お調子もん!」
忠介
「なっ…何怒ってんだよ、ベルフリィ!」
ベルフリィ
「あなたに関係ないでしょ!彼らを追うわよ!」


ベルフリィ
「フェアリーです。…変ねえ。高度に発達した知的生命体が存在するのは確かなんだけど…応答がないわ」
忠介
「ふむ」
ベルフリィ
「もお少し通信してみる?」

NO→
忠介
「んーやめておこう、いやな予感がする」
ベルフリィ
「そぉ…おくびょーもの」
忠介
「ぐさっ…い、いやにからむでわないか、ベルフリィ」
ベルフリィ
「何でもないわよ、早く彼らを探さないと、あなたの大切な王女が悲しむわよ!」
忠介
「…まさかおまえ、エスペラント王女のことで、イライラしてんのかあ?」
ベルフリィ
「うるさいわねっ!次の星、ダビデに向かうわよ!」

YES→
ベルフリィ
「やっぱり応答がないわ…あっ!」
忠介
「な…なんだあ?」
ベルフリィ
「あぁ、あれは…伝説の巨人”ゴーレム”よ!」

ベルフリィ
「ご苦労様でした」


ベルフリィ
「ダビデです。ダビデ地表より編隊、戦闘速度で接近中、さっさと、行きなさい!」
忠介
「あら、無事だったの…よかったわね。ダビデから通信が入ってるわ」

「はっはっはっ、トゥレイドが自慢するほどの性能ではないな。あ、いやいやこれはすまん。なかなかやるではないか、君たちは。…で名前くらいはもっているのだろう?」
忠介
「はい、六角忠介という名をで、あなたは?」
キングダビデ
「わしはキング=ダビデ、この星系の王だ。で、おまえ達ほどの者がこのダビデに何のようだ?」
忠介
「私たちもまだ目にしたことはないのですが、スパイラル=ウェーブというものを、それにローゼンクロイツという人物を探しています。」
キングダビデ
「なんだ、それを早く言えばいいものを。スパイラル=ウェーブはわしの100もある宝物殿の一番奥でほこりをかぶっておるわ」
忠介
「本当ですか!?いえ、あなたをうたがうわけではないのですが」
キングダビデ
「わしは嘘はつかん。なんならおまえたちにそれをやろう。…しかし、一つ条件がある。」
忠介
「条件?」
キングダビデ
「そうだ。ブラック=マジックにクロウリーという男がいる。そ奴の首をとってくるのだ」
忠介
「お言葉ですが、我々は殺し屋ではありません。」
キングダビデ
「奴は悪魔を操る魔人だ。自らの魔術のために日に千人からの女の首をはね、その上、討伐にむかったわしのかわいい機甲二個師団を奴の呼び出した怪物どもが数分で全滅させおった」
忠介
「そんなにすごいのですか」
キングダビデ
「だからこーして頼んでおるのだ。ひきうけてくれるのだろうな」
忠介
「はい、放っておけませんからね」
ベルフリィ
「女が絡んでいるものね」
忠介
「あのなぁ」
キングダビデ
「では、引き受けてくれるのだな。ならば、欲しいだけの物資は出そう」


忠介
「ここがエルフか?…」

「礼儀をしらない人たちね。ここへは何をしに?」
忠介
「あなた方のテリトリーをおかしたことはあやまります。私たちはクロウリーという人物を探しに行く途中で」

「クロウリーを?まさかあなたたち、トゥレイド…いや、ダビデのてのもの?

NO→
忠介
「いっいえ、私たちは越後のちりめん…」
ベルフリィ
「忠介…シールドはってないわよ」
忠介
「へっ?じゃ」
ベルフリィ
「そ、モロに心を読まれているわ」
忠介
「イカン!何も考えてはいかん…といってる先から気にくわんがダビデと約束したとか、エネルギーをいくら貰ったとか…あああ!」

YES→

「あははは!ならば、ここを通すわけにはいかないわ!クロウリーの妻が誰だか知ってる?私の姉よ!…彼をわずらわせるまでもないわ・・・たった今この場で私がほうむってあげるわ!」

「少しは骨があるようね」
忠介
「待ってくれ!これにはワケが…」

「くどい!」

ベルフリィ
「また、くるみたい。さっきの倍はいるみたい」
忠介
「こりゃ、やばい。いや、ヤバすぎる、逃げるぞ!」
ベルフリィ
「ジークフリードの側にスキがあるわ」


ベルフリィ
「多元ガードシステムよ。きっと」
忠介
「なんだそりゃ?」
ベルフリィ
「説明している暇はないわ。今すぐ引き返さないと、戻れなくなるわ!」


「馬鹿ね。ノコノコ戻ってくるなんて。今度こそ、とどめをさしてあげるわ」
忠介
「話をきけってんだ、このアマ…どうした、ベルフリィ」
ベルフリィ
「…なんてコト…ムラクモのようにわいてくるわ。戦力比が136:1…」
忠介
「くそっ!出るぞ!」
ベルフリィ
「行っちゃ駄目!きいてなかったの?戦力比が136:1よ!?勝てっこないわ!」
忠介
「だからって何もしないよりはましだろ!」
ベルフリィ
「駄目よ、駄目よ!あなた殺されるわ!…いえ、そんなことさせないわ、私が話してくる!」
忠介
「無茶を言うな!さっきまでは俺をあんなに邪魔にしてたじゃないわ」
ベルフリィ
「ごめんね。邪魔にしたってわけじゃないのよ。それに私より先にあなたが…忠介が死ぬ所をみたくないのよ。本当にゴメンね…」
忠介
「待てよ!」
ベルフリィ
「ホントに…ごめんね。」
忠介
「勝手な奴だ!俺ならおまえが先に死ぬところを見ても平気だって言うのか?…俺だってケッコー気に入ってたんだぞ、ベルフリィ!…おまえのことをだ!!聞こえてたら戻ってこい!畜生!…」


「返事をなさい…誰もいないの?」
忠介
「ベルフリィはどーした!無事なんだろうなあ!」

「ええ、不思議なことに傷一つおっていないわ」
忠介
「無事なんだな!…よかった」

「よくないわよ!おかげで私の宮殿は滅茶苦茶よ!彼女、すごかったのよ。そこいらじゅう、ガレキの山にしながら私のところにきて泣きながら頼むんですもの…あなたを殺さないでって。」
忠介
「ベルフリィが?…だってあいつは…ん?」

「ダビデのハエだわ、あなた達を監視していたようね。」
忠介
「何故…」

「あなた達はだまされていたのよ。話は彼女から聞いたわ。確かにクロウリーは善人ではないけれど、悪い人じゃないわ。けど、ダビデは腐ってるわ。あいつは誰も信用しなかった…星中の人間を1人残らず殺すまでね。そして、最後に信用できる自分一人だけが残ったのよ。」
忠介
「なんて奴だ…よくもオレ様をだまくらかしてくれたな…思い知らせてくれる!」

忠介
「ざまあみろ!…」

「ところであなた達スパイラルウェーブとかいうものを探してるんですってね?」
忠介
「ええ」

「クロウリーなら知っているかもしれないわ。そぉね!私も久しぶりだし、一緒に行ってブラック=マジックまでの道を教えてあげるわ。」
忠介
「やだなあ…道くらいわかりますよぉ」

「馬鹿ねえ、ジークフリード…まともに行ったら神でさえ抜けられないわ。」
忠介
「そお何ですか?…じゃ、とにかく急ぎましょう」

「こらこら、あなたの大切なパートナーをおいていく気?」
ベルフリィ
「た…ただいま、忠介」
忠介
「こら、ベルフリィ!おまえなんて無茶なことするんだ!とにかく心配したんだ!」
ベルフリィ
「本当!?…あっ…ありがとぉ忠介!」


「ここがブラック=マジックよ。クロウリー?クロウリー!」
クロウリー
「そんなに大きな声を出さなくても、聞こえているよ。シェライン。よくきたね…ただ、今はあまりもてなしができない」
シェライン
「どうしたの…それにだいぶ疲れているみたいだけど」
クロウリー
「君には悪い知らせなんだ。妻が…クレイブルームが死にそうなんだ。」
シェライン
「姉さんが!?何か…なんとかできないの!?」
クロウリー
「それで頼みたいことがある。私はクレイブのそばを離れることはできない…彼女を1人にすると…今にも消えてしまいそうなんだ」
シェライン
「何をすればいいの、クロウリー!」
クロウリー
「持ってきて欲しいものがある…まずフェアリーにいる妖精王、ムーンチャイルドの羽根、次にジークフリードのヘブンキーパーの三つ目の髪の毛、それと君の血だ。」
シェライン
「願いの玉をつくるのね。わかった…すまないけどあなた達手伝ってくれる?」
忠介
「喜んで」


ベルフリィ
「フェアリーです」
シェライン
「私はエルフの王、シェライン=クレーバー!」
ムーンチャイルド
「シェラインか…で?私に何のようだ」
シェライン
「急いでいるのよ。あなたの背中にある羽根のうちの一枚を貰いにきたの」
ムーンチャイルド
「ほお…かわりにどう私を楽しませてくれるのだ?」
シェライン
「急いでいるのよ!」
ムーンチャイルド
「私には関係のないことだ」
シェライン
「クロウリーの願いでも?」
ムーンチャイルド
「わかった、持っていくがよい」
シェライン
「ごめんね。このうめあわせは今度するわ」
ムーンチャイルド
「では、それを楽しみにしていよう。では…」
シェライン
「急ぐわ!次はジークフリードよ!」
忠介
「しかし、あそこは…神でも通れないんじゃなかったのか?」
シェライン
「…あの防衛機構も…さっきの妖精王やこれから会うヘブン=キーパー…いえ、この星系自体がクロウリーのつくったものなのよ!…この私もね」
忠介
「そんな馬鹿な!データではこの星系の紀元は76億年前…生命誕生より53億6千万年。奴は神そのものなのか?」
シェライン
「この話はあまりしたくないの…私は彼を姉と同じくらい愛してるわ…でも、この私はひょっとしたら、彼がおもしろ半分に作った人形なのかもしれないって…それを考えると死にたくなるのよ。あまりにみじめでね」
忠介
「彼は…クロウリーはそんな悪い人間じゃないとおもう」
シェライン
「優しいのね。…さっ、急ぎましょう。ヘブン=キーパーはムーンチャイルドほど甘くないわ」
忠介
「待ってくれ!それほどの力があるのに、何故人1人助けられないんだ」
シェライン
「一度命を吹き込んだものに、もう一度命をふきこむことはできないのよ…とにかく急ぎましょう」


シェライン
「ジークフリードよ。…ただし、五つの空間を通らねばなりません。ヘブンキーパーは、その奥に」
ベルフリィ
「第一空間戦列接近中。頼むわ、忠介」
忠介
「よっしゃ、よっしゃ、どーんとまかさんかい」

ベルフリィ
「第二空間戦列接近中」
ベルフリィ
「第3空間戦列接近中」
ベルフリィ
「第4空間戦列接近中」
ベルフリィ
「最後よ!頑張ってね、忠介」
シェライン
「そうよ、最後よ、頑張って」
忠介
「うぉぉぉし!まかせんしゃい!」

ヘブンキーパー
「よくここまでたどりついたな。外からクロウリー以外の客が来るとは考えたこともなかった」
シェライン
「私たちは…」
ヘブンキーパー
「わかっている。私の三つ目の髪の毛を取りに来たのだろう?」
シェライン
「ええ。」
ヘブンキーパー
「ならば、さだめに従い。その男の頭の中を読ませてもらおう…」
忠介
「こおいうの苦手だなあ」
ヘブンキーパー
「はっはっは…貴様はとてもいいやつだ。よって、さだめにより三つ目の髪の毛を送ろう」
忠介
「確かにいただいた。」
ヘブンキーパー
「貴様の果たすべきことを果たしたら、また、来るといい。その時は貴様の好きな…塩ヨーカンか?食べたことはないが、それを作って待っている。」
忠介
「お茶もつけてくれ」
ヘブンキーパー
「愉快な奴だ。ははは…うまくやれよ。」
シェライン
「あのヘブン=キーパーが世間話をするなんて夢にも思わなかったわ…」
忠介
「これで後は、あなたの血だけですね…へっへっへ」
シェライン
「なっ、何よその笑い方は…」
忠介
「なあに、怖がらなくてもいいんですよ…へっへっへ」
シェライン
「い…痛い…」


ベルフリィ
「つけられたみたい!後ろにダビデの空間機甲師団よ!」

ベルフリィ
「この分じゃ、位置もダビデにしれたんじゃないかしら」


ベルフリィ
「ついたわ…なんかいやに静かね」
シェライン
「クロウリー、返事をして。クロウリー!…クロウリー!」
クロウリー
「…シェライン。…すべては終わってしまった」
シェライン
「何を言っているの?どーいうことよ、クロウリー!…まさか」
クロウリー
「クレイブルーム=クレイバーは…今さっき息を引き取ったよ。彼女は最期まで美しかった…森にささやきかけるように…ほほえみながら…」
キングダビデ
「話はすべて聞かせてもらったぞ、クロウリー!あの女、クレイブルームは死んだのか?はっはっは、馬鹿な女だ!私の妻となればこの星系の1/4じゃくれてやったものを。あの女はきれいな顔をしていた!しかし、死んでしまってはもう用はない。この星もろともふきとばしてくれるわ!」


キングダビデ
「よくも邪魔をしてくれたな、六角忠介!まずは貴様から片づけてくれるわ!」
ベルフリィ
「ダビデの主戦列が前進してくるわ」
キングダビデ
「このままではすまさんぞ!今、ダビデ本星の主力をさしむけてやるから、そこで待っているがいい!」
忠介
「逃がすか、馬鹿め!ベルフリィ、急いでダビデへ!」
クロウリー
「その必要はない…私が自ら星ごと焼き尽くしてあげますよ。$%&$…’$#”…!#&」
忠介
「ううっ…ああ、気を失っていたのか…どーなってんだ、ベルフリィ!状況は…」
ベルフリィ
「うん…そのダビデなんだけど…消えたわ。星ごとそっくり…まるごと」
忠介
「ダビデを星ごと消してしまうなんてなあ。クロウリーは神なのかなあー」
ベルフリィ
「彼が神なら忠介はまぬけなピエロの役ね…」
クロウリー
「無事なようだな、ベルフリィ。それに忠介も」
忠介
「あ…いえ…奥さんのことはどうも…なんて言ったらいいか」
クロウリー
「君らが気にすることではない。あれは誰のせいでもない…それにシェラインがここにいてくれる」
忠介
「はあ…では、我々もそろそろ出発しなければならないので」
クロウリー
「そうか…君らはスパイラル=ウェーブを探していたのだったな。大丈夫。じきに見つかるさ。ああ、それと君らに集めてきてもらった品で願いの玉をつくっておいた。これとデス=バレーの海図も持っていくがいい。それからパスィーブを連れていくがいい。君らの役に立つだろう」
忠介
「どうも…」
ベルフリィ
「行きましょう。忠介」
シェライン
「ベルフリィ、あなたがもし、人間だったら忠介のいい恋人に…なれたのにね」
ベルフリィ
「いえ…そんな」
シェライン
「旅の無事を祈ってるわ」

エルアラメイン
「私は防衛プログラム、エルアラメイン。この星系に侵入するすべてのものに死を与える。よって指令を実行する。」

ベルフリィ
「ご苦労様でした」
忠介
「もぉいいかげんにしてくれえ!」
ベルフリィ
「忠介、忠介!星の反対側に生命反応があるわ。いったいなんなのかしら」
ローゼンクロイツ
「…きこえるか。ホリーバレル」
忠介
「ロ、ローゼンクロイツなのか!?」
ローゼンクロイツ
「忘れてはおらぬぞ、その顔は六角忠介。今こそソードブレードでもケリはつけさせてもらう。」
トゥレイド
「ハッハッハ、久しぶりですね、六角忠介。彼には私のいっこ艦隊を指揮してもらっています…」
ローゼンクロイツ
「六角忠介!私は私の、貴様は貴様の誇りをかけて戦おう!」
忠介
「あのタイプは口で言ってどーなるもんでもない、出るぞ!」

ローゼンクロイツ
「負けだ…はは!私の完敗だよ。六角忠介!さあ、私にとどめをさすがいい」
忠介
「そおはいかん」
ローゼンクロイツ
「な…なんだと!?私に生き恥をさらせというのか!」
忠介
「ああ…本当なら貴様のようなお高くとまったわからずやなどじわじわとなぶりものにしてやるところなのだがな。姫に…エスペラント王女に貴様のことを頼まれてさえ、いなければな」
ローゼンクロイツ
「…エスペラント王女に?」
忠介
「それに貴様には、まだやり残したことがあるはずだ。ソードブレードに真の平和をもたらすという仕事がな」
ローゼンクロイツ
「だが…私はもう」
忠介
「甘ったれるな!ソードブレードでは、おまえをしたって未だ抵抗が続いている。そんな彼らを救い、ソードブレードに平和をもたらすのが貴様の天命であり、願いではなかったのか!もお一度、騎士としての誇りをソードブレードにみせてやったらどーなんだ。貴様のために泣いてくれたエスペラント王女の為にもな」
ローゼンクロイツ
「し…しかし、今更」
忠介
「グズグズしてると、今、この場でしめちまうぞ!」
ローゼンクロイツ
「ありがとう。しかし君に借りをつくるわけにはいかない…かわりにトゥレイドから手に入れたビヨンドの海図を君にあげよう。…では」
ベルフリィ
「やさしいのね」
忠介
「バッ、馬鹿野郎」
ベルフリィ
「またまた、てーれちゃって」
忠介
「いいから船をビヨンドに向けろ」


ベルフリィ
「サボリエルです。せめててがかりでもみつかるといいわね、スパイラルウェーブの…」
忠介
「みつけるさ。でないと俺はあっちこっちの星で、ただ大騒ぎしただけのお馬鹿さんになってしまう」
ベルフリィ
「そおでもないわよ?なんやかんやでけっこうよくやったわよ」
忠介
「これは光栄のいたりに存じますぅ」
ベルフリィ
「ところでパスィープに話をきいてもらいましょう」
パスィープ
「気をつけて下さい。忠介。この星系のサボリエルから先は、いっしゅの連続空間になっていますよ。まともにやったら100年かかっても抜け出せません」
忠介
「どーすればよかってん?」
パスィープ
「一度クロウリーの所へ戻って下さい。あそこに私の妹のエレオノールがいます。ひきかえすだけなら私にもできますが…突破はとてもできません。迷路は妹の専門ですから…」
忠介
「わかった…で、どーすればいい」
パスィープ
「簡単です。まずサボリエルから出発します。そしてノオモア、コシーゲル、イエラの順に行き、その後、迷路の答え…最後はコシーゲルから外に脱出できますよ。」
忠介
「おい、わかった」
ベルフリィ
「迷路をぬけました」


忠介
「クロウリー!いるなら返事をしてくれ!」
クロウリー
「やあ、忠介。君らが来るのではないかと思っていたよ…そうかパスィープだけでは無理だったか」
忠介
「はあ…よくおわかりで…」
クロウリー
「ああ…君らのことならアルバムを見ているようにすぐわかったよ」
忠介
「アルバムを?…まあ星をもつくるほどの力があるあなたなら、俺の行動くらい…」
クロウリー
「はっはっはっ…別に私は神とかそういう存在ではないよ。それにね、そのうち君にもできるようになるさ」
忠介
「俺に?からかわないでくださいよ。まっ、俺にできることといったら戦うことと女風呂をのぞくことくらいかな?」
クロウリー
「私が保証しよう。君もなれるさ…ところで君はスパイラルウェーブが何か知っているのか?」
忠介
「いやあ、全く知らないんですよ、コレが。」
クロウリー
「はっはっはっ…私のときもそうだったよ」
忠介
「私のときも?さっきから奥歯になにかひっかかったようないいまわしをする。アルバムとか俺もあなたのようになるとか、何なんです?」
クロウリー
「そのうち、いやでも知ることになるさ…そお…イヤというほどね。ところで君は地球のことやベルフリィのことをどう思う?」
忠介
「気に入ってます。こいつといるとあきないんでね。それに地球も俺を育ててくれた総帥や覗きがばれて一緒に袋叩きにあった庵、近所の駄菓子屋の婆さん…ほんとに地球がヤバイなら…なんとかしたいと思っていますよ。」
クロウリー
「…今度は上手くいくかもしれんな…よし、エレオノールをつれていくがいい。彼女は、迷路専門のパスィーブでね。オメガのつくった連続空間などすぐにとけるだろう。」
忠介
「オメガってなんです?」
クロウリー
「すべては君の目で確かめるがいい…君のいうスパイラルウェーブもビヨンドの奥に行けばわかる。さあ、エレオノールを持って先に進むがいい」
忠介
「色々ありがとう…よし、ベルフリィ、ホリーをビヨンドへ向けろ!」
ベルフリィ
「あっ、ちょっと待って…あの・・・シェラインは元気なんですか?」
クロウリー
「君は優しいな・・・大丈夫。いつも私のために笑顔をたやすまいと気をつかってくれる。…痛々しいほどにね。私もクレイブルームのことでいつまでも悲しんでばかりはいられないようだ」
ベルフリィ
「…」
クロウリー
「さあ、行きたまえ。話は君らがすべてを自分の目で見た後にしよう」
シェライン
「あっ、待て待てこら!忠介たちが来てるなら一言いってくれてもいいのに」
クロウリー
「いや、あんまり気持ちよさそうにねていたものだから」
シェライン
「昨日は夜が遅かったものだから・・・」
忠介
「ところで…足の内側にキズがあるみたいですけど…」
シェライン
「あっ、これ?平気よぉ?こないだ裏の湖で水浴びしてた時…なんでそんなこと知ってるの?」
忠介
「はーっはっはっはっ!我がホリーバレルは衛星高度からでも、女風呂を鮮明な画像で覗ける…じゃなくて、虫の知らせが…」
ベルフリィ
「…」
忠介
「いかん!宿命が俺を呼んでいる!地球が私を救ってと叫んでいる!目指すは星系ビヨンド!いざいかん!スペシャルワープシークレットスィーッチ!」
ベルフリィ
「こっこら、勝手に…」
シェライン
「今度、会ったら、必ずむいてやるう…!」


忠介
「よし、エレオノールをだしてくれ、ベルフリィ」
エレオノール
「空間の連続構造の破壊に成功しました。ただ、空間にトラップがあり連続構造を破壊すると、自動的に発動するようになっていました」
忠介
「なにぃー!…仕方ないエレオノール早くホリーに戻ってきなさい…よぉし、じゃまっ、先に進むとしますか」


ベルフリィ
「アーンヘムです。地表に大型戦闘艦接近。」
忠介
「やっぱりな・・・いるんじゃないかと思った」
ビットリッヒ
「私はブレン様よりここをまかされているビットリッヒだ。…叩き潰してやる」
忠介
「よし、ベルフリィ!でるぞ!」
ベルフリィ
「お疲れ様」

ベルフリィ
「ビアスです」
忠介
「…しっかし、こいつらこーまでして、いったい何を守るっていうんだ…スパイラルウェーブか?それともおやだまのブレンをか?」
ベルフリィ
「サァ…それは、とりあえずほりーめがけてまっしぐらに飛んでくる嵐のような敵の群れをなんとかしてから考えない?
忠介
「それを早くいわんか!」
ベルフリィ
「ビアスから通信が入っているわ」
ビアス
「なかなか見事だったよ。だが、おかげで君らはこの私、ビアスの信頼できる軍人であり…愛する人でもある、副官のエリルと戦ってもらうことになった」
忠介
「戦いたくはない。俺はスパイラルウェーブを探しているだけだ。できればここを通してくれないか」
エリル
「そうもいかないわ・・・私たちは守らなければならないのよ」
忠介
「スパイラルウェーブをか?」
ビアス
「さあ…聞いたこともない…」
エリル
「そもそも、私とビアスは、何を守るつもりなの?」
忠介
「俺にきくな、俺に!」
エリル
「そうよね…では、私から相手をさせてもらうわ。いつでもそうなの、私より先にビアスが死ぬところだけは、見たくないから」
ビアス
「残酷な人さ…エリルは」
エリル
「ごめんね」
忠介
「馬鹿、やめろ!おまえらみたいなの相手に戦えるか!」
ベルフリィ
「来るわ!」

ビアス
「やってくれたな…辺境の下等生物が…」
エリル
「ご…ごめんねビアス…でも、いいのよ」
ビアス
「まだ死ぬなエリル…まだ早いぞ…エ…エリル。待っていろ…苦しいだろうが我慢してくれ…今、奴らの血で乾杯させてやる…」
忠介
「返事をしろ!生きているのか!?今、助けに行くからそこを動くな!」
エリル
「無駄なことは…やめなさい…ビアスは死んだわ…ソウ…私…たちは忠介に負け、死ぬのが…役目」
忠介
「馬鹿な!俺はそんなケチな生き方を認めんぞ!」
エリル
「それは違う…わ。ここで私たちに…負けるようならあなたは…あなたじゃない」
忠介
「馬鹿やろー、そんなことを勝手に決めるな!どこで死のうが俺は俺だ!誰がなんと言おうとな!」
エリル
「あなた…なら手に入れられるわ。私やビアス…そして…ブレン様を倒し…そして。」
ベルフリィ
「忠介!ブレンの方からなにか…ビアスの戦闘艦消滅、惑星ブレンからの遠距離攻撃よ。…エリルの反応も…消えたわ」
忠介
「…」
ブレン
「彼女はしゃべりすぎたわ。でも、エリルはおしゃべりが好きだったものね…それに…優しすぎた」
忠介
「あの人は、まだ生きていたぞ」
ブレン
「仕方のないことだわ。ビアスやエリル…そして私の役目は…」
忠介
「死ぬことなんだろ!そこを動くなよ…今、行くからな・・・おまえを殺しになあ!!」
ブレン
「あはははは。それでこそ六角忠介よ!でも、あなたに本当の六角忠介たる資格があるのか、ためさせていただくわ。トゥレイドにくるがいい。六角忠介!」


忠介
「…このちいさな生産衛星がトゥレイドだっていうのか…」
ブレン
「そうよ…ここで働いているものは本気で商いをしているつもりでしょうけど…あらゆる意味で、他の星系をコントロールしてきたわ…思いのままにね」
忠介
「トゥレイドがいなければ、ソードブレードは200年も戦争をせずにすんだ。デボンやダビデにしたってそうだ!トゥレイドがおかしなものを売りつけたせいで、何人の人が命をなくしたと思っている!」
ブレン
「…優しいのね、あなたは本物かもしれないわ」
忠介
「そんなことはきいてない!」
ブレン
「私の役目はあなたと死をかけて戦うこと」
ベルフリィ
「トゥレイド戦列消滅…それにブレンは撤退しました」


ブレン
「いらっしゃい、六角忠介…じゃあ、始めましょうか」
忠介
「おまえ、スパイラルウェーブについて本当に知らないのか」
ブレン
「さあ。…でも私を倒せば答えをみつけられるのはたしかよ」

ブレン
「おめでとう…六角…忠…介…ハッチを開けて」
忠介
「なんだこれは?」
ブレン
「おそらく…これに勝る兵器はこの世に…存在しないわ」
忠介
「スパイラルウェーブなのか?」
ベルフリィ
「強力なエネルギーの発生装置のようだわ」
忠介
「やはり、太陽をおびやかす原因はこれか?…しかし、あんなもので俺に、どーしろってんだ。宇宙を破壊しろとでもいうのか!」

「そぉ言って間違いではないわ。六角忠介。あなたたちがスパイラルウェーブとよぶそれは、あらゆる星系の環境を自由にコントロールすることも、破壊することもできるのよ…」
忠介
「だっ誰だ…ん?ベルフリィ?」
オメガ
「そぉ…私はベルフリィ。ベルフリィ=プルートー=オメガ、きなさい、忠介。我がケイオス=プルートーへ。」
ベルフリィ
「誰なの!今のは誰なの、忠介!」
忠介
「…クソッ!すべてのカタをつけるぞ、ベルフリィ!進路ケイオス=プルートー!」


忠介
「出て来い!オメガ!」
オメガ
「ここにいるわ忠介。…で?何か教えてほしいの?」
忠介
「まず初めに…おまえはいったい誰だ!」
オメガ
「言ったでしょう。私はベルフリィ=プルートー=オメガ。あなたたちの言い方でいえば、もお一人の…ベルフリィ。」
忠介
「いわゆる並行世界の住人なのか?」
オメガ
「ええ」
忠介
「ならばもお一人の俺もいるはずだ!」
オメガ
「もお…あっているはずよ。クロウリーに会わなかったの?」
忠介
「あいつが…俺?そんな馬鹿な!太陽をおびやかしたのは貴様か!」
オメガ
「そうよ、私はあなたを呼ぶためにそうしたの。」
忠介
「こおまでして俺の何をためしている!すべて貴様が仕組んだことなんだろぉが!」
オメガ
「反応をみるためよ。あなたが…真に宇宙の友人となれるかどーかを…」
忠介
「なんのことだ?」
オメガ
「こういう話を知ってる?宇宙は確かに存在するわ。でも、それは宇宙の存在を確認するものがいてはじめて、宇宙は自分のことを認識できるのよ。」
忠介
「人間原理宇宙論…古い哲学だ」
オメガ
「宇宙は悩んだわ。よき観測者がいなければ、自分自身の存在は無意味になると…」
忠介
「で、俺にどーしろってんだ」
オメガ
「あなたはよき観測者になれるわ。優しくて残忍で…あたたかくて冷酷で…すごく弱くもあり、すべてを破壊できる。私と戦いなさい!六角忠介!これで最後よ!宇宙の友人、あなたのいう神となるテストは!」
忠介
「待て…なぜ今更戦わなくちゃいけない!」
オメガ
「いやなら黙ってそのまま死になさい!手加減はしないわ!」
ベルフリィ
「来るわ…すごい数よ。忠介。反応が多すぎてレーダーに何もうつらないわ。戦力比は2039:1!!私たちを2039回破壊できる戦…力。私がたてになるわ。このまま、中央を突破するからあとは頼むわ、忠介」
忠介
「待て!ベルフリィ!」

ベルフリィ
「もお…ダメみた…い。でも、敵の旗艦は…目の前よ。…褒めて…くれない…の?」
忠介
「大馬鹿だ…おまえは…」
ベルフリィ
「あは…いってらっしゃいのキスはできない…けど…がんば…って…」


オメガ
「おめでとぉ…本当におめでとぉ、六角忠介。あなたは合格したわ。」
忠介
「ベルフリィをどーした!」
オメガ
「信じられ…ないけ…ど、まだ…機能して…るわ。…ん?彼女…人間だったの?」
忠介
「えっ?…あいつは機械人だが…」
オメガ
「…そぉか、クロウリーの願いの玉…ね。あれを発動させる…ほど、強く人間になりたいと思っていた…のね」
忠介
「…」
オメガ
「彼女…と、幸せに…ね。忠介。彼が…宇宙がおかしなことを…しないように…二人で相手を…してあげ…て」
ベルフリィ
「…何?どーなったの、忠介。なにか…私の体がぐにゃぐにゃしてる…外骨格がこなごなになったのかな…」
忠介
「本当に人間になったのか?たしかめてやる」
ベルフリィ
「きゃー!!なに今の!なんかぞくぞくするよ。この外骨格!」
忠介
「うわあ!…ほんとに人間になっちゃってるよぉ!…い…いやしかし…うんうん、やわらかいっつーのはええのぉ。こぉちょうど手のひらにおさまる…なにをにらんでいるベルフリィ」
ベルフリィ
「いや…よくわかんないんだけど…なんとなく悔しいの…これからどーするの?忠介。いえ、神様とお呼びして?」
忠介
「よせよ、俺は俺のままでいいよ。…地球に戻ろう。総帥と将棋をする約束があるからな…宇宙のいたずらボーズのケツを叩くのはそれからだ!」


モドル