モドル

■サイレントデバッガーズ (HUカード・シューティングRPG?)

未来世紀…人々が「アルビオン」と「ザバリクス」の二つにわかれて戦い続けた「統合大戦」が終結して、四年の時が流れた…。
度重なる戦いによって荒れ果てた地球を捨て、宇宙に旅立った人々の数は数えきれない…。

そんな人々が頼りにすると共に、恐れる存在があった…。
「デバッガー」報酬と引き替えに、仕事を請け負う彼らはあらゆるジャンル…特に戦いのエキスパートであったからである…。


レオン
「俺はレオンだ。よろしくなっ!デバッガーっていうのは宇宙のドブさらいみたいなもんだが、なかなか面白い商売だ。仲良くやろうぜ。俺たちが向かっているのは「ゲイン」というステーションだ。今、データをみせるからな…。戦争時代に作られた貨物ステーションを改造したタイプだ。俺が調べたところによると、直径はおよそ1キロ。5つのフロアが積み重なった構造だ。グリーンが貨物ブロック。イエローの部分にステーションのコントロールシステムが集まっているらしい。このステーションは1年前に事故を起こしてから無人になっている。噂だとこの中にはシャトルが十隻、キャッシュで買えるくらいのお宝が眠っているらしいぜ。しかし、問題なのはそこからだ…今までに何人ものデバッガーがここに入っていったが、戻ってきた奴は一人もいない。俺はお宝には興味はないが、誰も戻ってこないっていうのが気に入らないぜ。
まあ…その、貰えるものは貰ってくるけどな…詳しいことは俺にもわからん。中で何が起こっているのか?行ってみてからのお楽しみだ。
さて…と、話が長くなっちまったが、出発しようぜ!」


レオン
「今、俺たちはシャトルポートからコアブロックに向かっている。とりあえず、ステーションのコンピュータは動いているはずだから、そこから何か聞き出せると思うんだが…」

レオン
「ディン!何かが前から近づいてくるぞ”こいつは…みたこともない生き物だ…仲間たちはこいつにやられたのか?
それにしては手応えのない相手だ。こんなよわっちい奴に何人ものデバッガーがやられるとは思えない…。
なかなかヤバい雰囲気じゃないの…俺、こういうの大好きだぜ。」

レオン
「ここがこのステーションのメインコンピュータールームだ。とりあえず、アクセスしてみよう。何かコンピューターに記録があればいいんだがな…」

レオン
「ステーションの中はモンスターだらけのようだが…奴らがいるせいだろうな。これ以上はプロテクトがかかっている。コマンドをうけつけないぞ。ディン、俺がコンピューターにアクセスしている間に奴らを片づけてきてくれないか?」

レオン
「よーし、決まりだ。武器をいくつか用意してある。好きなのを持っていってくれ。俺はその間にコンピューターから必要な情報をひきだしてみる。武器の使い方は渡した「マニュアル」をみてくれ。準備がすんだら、早速、行動開始だ。」

レオン
「ディン!急いで戻ってきてくれ!お前のおかげでなんとかコンピューターにアクセスすることができた!」

レオン
「戻ってきたな!さて…モニターご注目あれ。」

TR
「私はこのステーションの中枢コンピューター「TR」です。「ゲイン」内部に未確認生物の反応あり。LV1の反応は消えました。安全装置を解除します。LV2に降りることができます。また、あなたがアクセスしたことにより自爆プログラム「エマージェンシー1」が発動されました。外部に通じる全てのシャッターを閉鎖、これより緊急体制に入ります。その解除にはタイムリミットまでにLV6のサブコンピューターを動かす必要があります。タイムリミットまで後100分!急いで下さい。」

レオン
「何だって!?冗談じゃないぜっ!「エマージェンシー1」ってのは?シャトルポートへのシャッターも閉鎖されたか…ディン、閉じこめられたぞっ!タイムリミットになる前にLV6に降りないとおだぶつ…か。なんだか厄介なことになったな…とクヨクヨしててもはじまらん。とにかくモンスターを全部片づければ、下に降りられることは間違いないらしいな…時間は限られてるんだ、手早く片づけようぜ。」

レオン
「これは、ステーションの責任者だった…名前は…「チャールズ・スミス」だ。一癖ありそうなおっさんだな。スミスのメッセージデータが残っている、再生してみるか。」

スミス
「私は重貨物ステーション「ゲイン」の責任者スミスだ。ゲインは正体不明のモンスターに襲われ、その大部分を占拠された…モンスターが何故ステーション内部にあらわれたのかはわからない…ただ一つ、わかっていることは、やつらが我々に対して、攻撃の意識をもっていることだ。私はゲインに緊急プログラムを発動させ、モンスターを貨物ブロックに閉じこめた。このメッセージをみているものは直ちにステーションから脱出せよ。ここは、危険だ…。」

レオン
「うーん、あのモンスターの正体は分からずじまいか…一体何がおこったっていうんだ?どちらにしてもこのステーションには何かがあるような気がするぜ。」


「…また、誰か…やって…来た…のか?」

レオン
「さて…LV2だ。俺はコンピュータからもう少し情報をひきだしてみる。ディンはモンスターを頼むぜ。」

レオン
「ディン!作戦完了だ!戻ってきてくれ。」

レオン
「ご苦労さん。あれからわかったことを教えるぜ。メッセージデータを探っていたら、こんなメッセージがでたんだ。」

レイ
「機関部を担当しているレイです。私が動力炉を点検に行ったときに、「あれ」をみたんです。あんなものがどうして…とにかく数え切れないほどの怪物がいたんです。そして、スティーブが…銃を撃って…そうしたら…壁の中から…!畜生!スティーブが…きっとあいつは…。」

レオン
「相手の正体は不明か…「壁の中から」ってのは何だろう?メモリーが破壊されている…どうやらまだ別のモンスターがこのステーションの中に潜んでいるらしいな。んっ?!誰かがステーションに入ってきたらしい…?一体誰だ?まあいい…こいつをみてれ。このステーション「ゲイン」のマップだ。一番下に何かあるらしい。我々は今…ここLV2。まだまだ先は長そうだ。ディン、お前にはまだまだこれからモンスターを退治してもらわなけりゃ。」


「奴らが…ここに…降りてくる!!」

レオン
「ディン、このステーションには何か秘密がありそうだな。とにかく、いけるところまでいくしかない。何が待っているのか判らないが…。」

レオン
「ディン、お前、なかなかいいセンいってるぜ。上出来だよ。ひょっとして俺のバックアップなんて必要ないかもしれないなあ…!ちょっと待てよ、このステーションのどこかから通信が入ってる。」


「なかなかやるじゃないの…どうやら甘い話につられてやって来たデバッガーらしいけど…そんな話はデタラメよ。…といっても、どうせ信じるわけないわよね。まあ、せいぜい頑張る事ね。生きてたら、また会いましょう。」

レオン
「何だ…あいつは俺たちをおちょくっているとしかおもえんが…」


「デバッガーか…確かに並はずれた戦闘力を持っているようだ…LV4で彼らの本当の力を試すとしよう。」

レオン
「このLV4ではコンピューターからたいしたことは引き出せなかった。」

レオン
「よくやったぞ、ディン!これで残すはあと1フロアだ!お前が戦っている間にまた、あいつから通信が入ってるんだ。」


「あんたたち、まだそんなところにいるの?全く、鈍いんだから!早くおうちにかえんなさい!だいたいねーこんなところにお宝がころがってるなんて甘い話を真に受けてるわけ?!だとしたら、あんたらかなりおめでたいわね!もう少し冷静になりなさいよ!まあ、あんたたちが暴れているおかげで、私の方がやりやすいのは事実だけどね。」

レオン
「完全に俺たちをおちょくっているとしか思えないが…確かに俺たちは何も知らない…一体このステーションで何が起こったのか?そして、あのモンスターはなんなのか?よく考えてみよう…変じゃないか?このステーションは貨物ステーションと聞いていたが、それらしいものが全然見あたらない。人が住んでいた形跡もない。がらんどうの建造物だ。しかも…だ。俺たちにとって都合のいい設備が揃いすぎている…情報だって、ここからいくらでも引き出せるが肝心なことについてはぼやけたままだ。ここは、一体何のためのステーションなんだ?!」

レオン
「ここまで来たら、一番下まで降りてみるしかないだろう。そうすれば、何かが判ると思う。このフロア、LV5にいるモンスターを始末すれば、それで終わりだ!頼むぞ!ディン!」

レオン
「ディン、とうとう全てのフロアを突破できたな…一体ステーションの一番下に何があるっていうんだ。そいつがステーションの謎をとく鍵となるはずだ。ん、また、あいつからか?」


「とうとう来たわね。本当のことをいうとあんたたちがここまでこれるとは思わなかったわ。だから、一つだけ忠告しといてあげる。あんたたちは奴らをただのモンスターと思っているらしいけど…あいつらはそんないい加減なものじゃないわよ。やばいのがわかってるのに逃げないのは「勇気」じゃないわ!単なる馬鹿よ!それでもやってくるつもりなら、私はもう何も言わないわ。」

レオン
「発信地が判った…あいつはすでにLV6にいる!確かにやばいのがわかってて進むのは馬鹿のやることかもしれないが…何もわからずに逃げ出したくはない。LV6にはモンスターがいる気配はないようだ。かといって安心はできないがね…俺からの餞別だ。大切に使ってくれ。」

レオン
「ディン!気をつけろ!今、フロアにいきなりモンスターの反応が現れた。今までになかった強力な反応だ。どんどんそっちに近づいてくる。こいつは姿を消すらしいぞ!サウンドセンサーで相手をキャッチするんだ。」

レオン
「モンスターの反応は完全に消滅した!保管室に急げ!」

コンピューター
「あなたは「バイオロイド計画」が発動してから、この場所に到達した最初の人間です。コンピュータールームからあなたに通信が入っています。」

レオン
「おい、ディン!やっとステーションのすべてのデータが解読できたよ!このステーションはやばいぞ!はやく、そこを離れるんだ!いいか、ディン、こいつは罠だ!俺たちは騙されていたんだ!よくきけ…このステーションは…うわあ!」

コンピューター
「コンピュータールームからの通信が途絶えました。」


「よくここまでたどり着いた…お前のような人間を私は必要としているのだ…並はずれた反射神経と判断力…そして、戦闘能力…おまえならすばらしいバイオロイドになることができるぞ。」


「そうはいかないわ!」


「誰だ…そこにいるのは!」


「動くとでかいのを一発、お見舞いするわよっ!」


「…といっても、元々動くことができないようね。このステーションにおびき寄せられた人間たちはどうなったの!?」


「お前たちは、もう、すでに彼らに会っているはずだ…。」


「…まさか、あのモンスターたちは…!?」


「人間は生まれ変わるべきなのだ…更に強い生命体として…。」

レオン
「冗談じゃないぜ!化け物なんかにされてたまるか!」


「…出てこい、デバッガー!」

レオン
「スミス!いい加減に下らない夢から覚めろ!」

スミス
「ぐああああああっ!!」


「スミスですって!?まさか!?」

レオン
「そのまさかだ。ここで人間を化け物に変える実験をしていやがったんだ!」

スミス
「ディン…おまえが協力してくれれば、私の夢が…究極の生命を生み出すことが…でき…る…。」

レオン
「スミス…その夢の続きは地獄で見るんだな!」


「でも、どうして…?」

レオン
「詳しい話は後だ!このステーションはもうヤバい!脱出するぞ!」


ステア
「あたしはステア。ステア=ベンチュリー。あんた、レオンでしょ?噂は色々聞いてるわよ。で、もう一人は?」

レオン
「こいつはディン。俺の相棒だ。ところでステアとかいったな。どうしてステーションに潜り込んでいたんだ?」

ステア
「ザバリスクの生き残りがあのステーションでなにやらたくらんでいるってきいてね。それを確かめにきたってわけよ。」

レオン
「ザバリスク…やはり軍隊がからんでいたか。」

ステア
「レオン、あたなも元は「ザバリスク」のソルジャーだったんでしょ?」

レオン
「戦争は4年前に終わった。俺の知った事じゃない。だが、裏では未だに「アルビオン」と、「ザバリスク」が続いているのは確かだ。陰でバイオロイドを作っていても不思議じゃないな。」

ステア
「それで、一体どういうことなの。あのモンスターがスミスだなんて。」

レオン
「チャールズ=スミスは元々生物化学者だったらしい…ゲインにお宝があるっていうのはスミスと結びついたザバリスクがばらまいたでまかせだったんだ。迷い込んだ人間をとらえて改造実験サンプルにするためのニセ情報だ。」

ステア
「…人間を生物に兵器に改造するなんて…」

レオン
「更に強いモンスターを作るのなら今までに作ったモンスターに勝てる人間でなくては意味がない。ゲインは、その人間を見つけるための実験場だったんだ。」

ステア
「スミスは自分の実験によって…あんな姿に…。」

レオン
「当然の報いだな…ところでどうしてそんなことをかぎまわっているんだ?」

ステア
「あんたたちには関係ないわ。私はただ…前の戦争の匂いを追いかけているだけよ…。」

レオン
「全く…物好きな奴だな…おわっちまったことをほじくりかえして何が面白いんだよ。」

ステア
「うるさいわね!あたしの戦争はまだ終わっちゃいないのよ!」

レオン
「あほらしい。戦争はもう終わったんだ!こだわるだけ無駄だと思うがな…。」

ステア
「戦うスリルが忘れられないからあんただってデバッガーをやっている…そうでしょ?レオン…。」

レオン
「ふん!大きなお世話だ!」

 レオンは思う…この宇宙に絶対の「正義」などあるわけがない…と。ならば…だからこそ、自分の胸の「正義」を信じて進むのだ。何をたくらんでいるのかしらないが…俺たちを罠にかけたお返しはきっとするぜ!


デバッガーレオンか…一緒についていけば、何かわかるかもしれないわね…


未来世紀…正義も悪も判らない混沌の時代…
そのなかを命知らずのデバッガーたちが駆け抜けてゆく…
次のターゲットを求めて!!


モドル